2012年02月12日

地雷博物館

こんばんは!久しぶりの更新です!

今日は「地雷博物館」について書こうと思います。


かなり長いです。そして重いです。


けど、たくさんの人に読んでほしいし、知ってほしいです!!



先日、地雷博物館に行きました。アンコールワットから少し離れたとこにあるこの施設。





カンボジアでは1970年代にベトナム戦争に巻き込まれるかたちでクーデターが起こり、それをきっかけに国が崩壊。
ポルポトの恐怖政治(国民の3分の1を大虐殺)、さらにそれに対する紛争が起こり、たくさんの人が死にました。



それから30年あまり。
今もその威力を維持したまま人々の生活を脅かす兵器があります。

それが「地雷」です。



地雷には人用と戦車用があって、破壊力がぜんぜん違うんです。


戦車用を踏んだら即死だけど、人が通れないような道(戦車が通る道)に設置されるので人の被害はまだ少ないほう。
問題は人用の地雷。これの破壊力は足を片方吹っ飛ばすくらいの破壊力。死に至るケースよりも生き残るケースのほうが多い。


何故かというと、この地雷は「人を生かしながら苦痛を与えるため」に作られた兵器だから。



説明すると、


戦争のとき、お金がかかりますよね?兵器にしても食糧にしても、莫大なお金がかかるわけです。当然、怪我人の手当てにもお金がかかります。資金が底をつくと、兵器も買えない、食糧もない。資金が底をついたらピンチなんです。負けに直結します。


で、ここが重要。戦争で死んだ人の供養や埋葬にはお金はかからないんです。


つまり、相手を「殺す」よりも「死なない程度の重傷」を負わせて手当てをさせたほうが相手国にとっては有利な状況に持ち込めるわけです。




こうして、地雷は戦場に大量に埋められました。

殺すためではなく、死なない程度の重傷を負わせる兵器として。
激痛と、「こんな苦しい思いをするくらいなら、いっそ殺してくれ」という絶望感を与える兵器として・・・



加えて、地面に巧妙に埋められているために、どこにあるかがわからない。
発見するのも撤去するのもめちゃくちゃ手間がかかるし費用もかかる。




「最悪の兵器」。それが地雷です。




地雷はたくさんの人の手足、そして命を奪っていきました。



突然足が吹っ飛ぶという絶望感・・・
想像できますか?
俺はできません。考えるのも怖い。


目の前を歩いていた母親が地雷を踏んで爆発死したり、鬼ごっこをしてたら足が吹っ飛んだっていうのもあるらしい。




↑↑地雷注意の看板




この地雷博物館は元兵士のアキ・ラーさんによって建てられました。





名前が日本人っぽいからかわからんけど日本語も話せるそうです。笑






地雷博物館を建てたいきさつもまた衝撃。



彼は5歳のときに兵士に両親を目の前で殺され、そのまま軍に引き取られ、育ちました。
自分の両親の仇の一員になったわけです。


幼い頃から徹底的に人を殺す技術を叩き込まれ、おもちゃは銃やナイフだったそうです。
そんな彼は16歳の頃には一人で敵部隊を全滅できるほどの凄腕の兵士に成長していました。


当時は「ノーチョイス」。選択肢はなく、命令に従えなければ殺されるという世界でした。



彼はたくさんの敵兵を殺しました。やらなければ、やられるから。
地雷も大量に埋めました。
敵軍を倒すために。自分の命を守るために。



やがて戦争も終わり、彼はやっと自由になれました。
両親を殺された恨みを持っていた彼は開放を心の底から喜びました。



そんな彼の転機は、国連から地雷撤去を手伝ってくれないかとの要請があったことでした。

地雷撤去をする傍ら、様々な国の人との出会いで兵士以外の生き方があること、仕事を自由に選べることを知ります。



彼はこれまで地雷を3万個以上も処理してきたそうです。ものすごい数。



しかし、農村やジャングルに残る地雷は百万個とも二百万個ともいわれているそう。




彼は貧しい人や外国人にも地雷の悲惨さや現状を知ってもらおうと、自宅を改築し、地雷博物館を建てました。


もちろん入場料は無料。地雷撤去作業も無料で引き受けています。



見学者の寄付とアキ・ラーさんの収入だけで運営しているこの施設。博物館の裏手にはフリースクールがありました。
戦争孤児や地雷被害児を引き取って養育してるそうです。



↑こどもたち。




さすがに写真は撮れなかったけど、足がない子もいました。




本物の地雷や、マシンガンや手榴弾。そして被害者の写真が展示された博物館。(日本語の看板もあり)












本当、いろいろ考えさせられた。








だってさ、5歳のときに両親を殺されて、それからずっと自由がない生活で、
10年以上も、殺されるかもしれないっていう恐怖に脅えながら、人を殺し続けなきゃいけなかったなんて・・・



そんなのひどすぎるでしょ・・・



その間にも、空腹のあまり友達が豚の餌を盗んで殺されたり、生きるために小便を飲んだり、目の前で虐殺が行われてるのを見せられたり




まさに「地獄」を生きてきたんだと思います。






俺らが生きてきた時代とはまったく違う時代。
想像もつかない、恐ろしい時代。






アキ・ラーさんは多くを語らず、ただこう言うそうです。



「地雷をなくしたい。人のために生きたい。」





きっと、命令されてやったこととはいえ、昔自分が犯した罪のことに対しての後悔もあるんでしょう。望んでやったことではないとはいえ、人を殺してるんですから。

これからもずっと、彼の戦いは終わらないんです。






なんかわからんけど、涙が出そうになりました。




この人も被害者なんだよなーって。

辛い過去を引きずりながら、「人のために生きたい」って言ってんだなーって。


すげえな・・・って。





なんでなのか、カンボジアでは涙が勝手に出てきます。


なんなんだろうね、これは。わからない。






「現実を見る」という目標で旅に出た自分。




悲惨すぎる過去と、それが今も続いているという信じられない現実。それを目の当たりにすることができました。

辛すぎて目を背けたくなるときもあるし、なんか考えすぎて苦しくなるけど


現実から目を背けずに、いろいろと見ていきたいと思います。







最後に、またひとつ考えさせられることを。



現在カンボジアでは地雷除去さえも「ビジネス」になっており、地元の有力者が仕事として引き受けているそうです。

それに対してアキ・ラーさんは個人で引き受けて、無料でやってます。


つまり、なにが起こるのか。


それは、アキ・ラーさんに対しての妨害行為や、たくさんの嫌がらせです。
地雷撤去をビジネスとして見ている彼らからしたらボランティアでやってるアキ・ラーさんは邪魔者ですから。




本当に大切なのは人の命なのに。金のほうが大切なのかな。




そして、さらにあとひとつ。

日本からの地雷撤去の支援金(カンボジアの地雷撤去のためにご協力を!っていう募金のやつ)。

あれはアキ・ラーさんのところには1円も入っていません。
すべて有料で引き受ける団体のところに支給されているそうです。


支援金は増えれば増えるほど、アキ・ラーさんへの妨害は増すばかり。だって、莫大な金が手に入るのにボランティアでこういう活動をされたら、邪魔ですからね。

皮肉ですよね。
助けたいと思って募金したお金がこうなっているというのも、俺は衝撃でした。






長々と書きましたが、みなさんが考えるきっかけに少しでもなれたらいいなと思います。




どこまでも続く田舎道。笑顔と元気がいっぱいです。



それでは!




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この記事へのコメント
…………。

つらいわ…
環境で人ってそんなに変わるんだよね…。

色々聞いて私には現実を分かる事が大切だなって思った、しゅんありがとっ!
Posted by 愛 at 2012年02月12日 22:48
もうなんて表せばいいのか分からない気持ちです...
綺麗事って言われるかもしれないけどこの世から武器が全部なくなってしまえばいいのにって思います。

最近ニュースで見たんですが、たくさんの人が亡くなっているのに国のトップの利益だけを考えてなにもしていない所がありました。
また、それが他の国のトップが自分の国の利益だけを考えた行動をとってたくさんの人が亡くなってしまっています。
多分、その国のトップも、もし亡くなっている人が自分の家族、仲間、恋人だったりしたら、絶対にこんな馬鹿げた行動はしないと思います。
最近おれは人間にいい人はいないんじゃないかって思います。
おれも含めて全ての人間が、絶対に心のどこかに自分の利益を優先した悪いものが住んでいると思います。
すごくやりきれない気持ちです。

しゅん先生の記事で、いろいろ考えさせられます。
ありがとうございます。

では、長文すみませんでした。
Posted by ゆう at 2012年02月13日 00:05
こんなちっぽけな自分達には何もできないけどさ
ただ、私たちは前を向いて生きるしかないんだよね。
目を背けたくなる現実を伝えてくれてありがとう。
Posted by ちこ at 2012年02月13日 00:48
世界は広いですね。
これ読んで平和ボケしてる自分に気付きました。

義援金もビジネスの一つ?何だか辻褄合わないような…‥(>_<)
お金で働いてる団体よりそうじゃない団体の方が、やってることに意味を感じます。でも実際行かないと見えなくて、私たちのところには届かないですね。


アキ・ラーさんにエール!
自分も身一つで困ってる人救える人材になりたい!

このブログ素敵すぎる!
Posted by えりな at 2012年02月13日 06:59
自分は、沖縄戦と長崎に落ちた原爆について学びました。
実際長崎にも行って、被爆された方々のお話も聴きました。
なんだか苦しくなりました。
目をそむけそうになりました。
でもやっぱり、たとえ悲惨な過去でも「知る」という事はとても大事な事だと思いました。
そして「平和」の重みも感じました。
私たちは平和の本当の意味で理解してないと思います。

「自分も何かしたい」と強く、強く思いました。

いろいろ考えさせられました。
ありがとうございました。
Posted by みかん at 2012年02月14日 18:42
なんか、泣きそうになるのこらえながら読んだよ(/_;)

正直なんて言っていいのか言葉が出てこない。
ただ、悲しい。
こういう現実があるってこともそうだけど
それを知らないでいることも。

色々考えさせられる(/_;)

書いてくれてありがとう!!
ホント、勉強になるし、いろんな価値観に触れるきっかけになるよ☆

そこの治安とかはだいじょうぶ??
気をつけて、たくさん学んできて
またいろいろ教えてね♪(^^)
Posted by ゆりえ at 2012年02月14日 23:21
この、アキ・ラーさんの話、前にTVでドキュメントで特集してたよ!
あくまでTVでみただけ、だけどたくさんたくさん考えさせられました。
それを、現地で自分の目でみて、肌で感じて、伝えてくれてありがとう!
私には今何が出来るのか、考えて行動に移せるようにする!
Posted by かめや at 2012年02月15日 15:54
俺たちに出来ることか〜正直言葉は悪いけど募金だな!現地行って地雷撤去できるわけもないからな!でもしゅんは絶対に最高の経験をしたと思うぜ!しゅんのお陰でこんな現状があるんだって知れたし。
あの時神社行って祈っとけば良かったって後悔しない為にも絶対に五体満足、心身ともに健康で帰って来いよ!
Posted by 尼崎のもの at 2012年02月16日 01:33
地雷撤去ビジネスとの関連で、善意を妨害されたりするという話しは初めて聞きました。端から聞いていると悲しいことに聞こえるけれど、当時者一人ひとりに理由があるんだろうね。
きっとそれは地雷撤去のみならず、色々な善意やビジネスの裏に似たような背景があるんだろうね。
事実を知ると、色々な事の背景を考える事が出来るね!
色々と考えるきっかけをもらいました。ありがとう!
Posted by 髭 at 2012年02月16日 21:55
頭のどっかでは理解してるはずの現実だけど、目の前で見るとすごい衝撃だったんだろうね…
それにテレビとかで見るよりも、友達の言葉で、表現されてる現実を見るとすごい考えさせられたよ!!しゅんありがとう!

毎回しゅんのブログを見ると、
すんごい小さい世界で生きてるな~とか、頑張ろうとか思うよホント!!

残りわずかだけど、またいろいろ見せてくれ!
Posted by 優斗 at 2012年02月18日 08:34